無自覚片思いの相手は策士な肉食系でした
「すごい、ちゃんと仕事してるんだね」

「そう、だから前にも言ったけどいつでも結婚できるよ」

「いや、それはまだ早いというか……」

前にも言われた言葉にドキッとしながら視線を反らすと、朝陽は真未の後ろにあるベッドのマットレスに両手を置いて、真未を腕の中に閉じ込めるように移動した。

「早い?何で?」

「え、だ、だって、私達まだ学生だし……」

「学生の間は駄目?」

「だ、駄目……ちゃんと卒業してから……」

「卒業したらいいの?」

徐々に近づいてくる朝陽の顔にどぎまぎして真未が思わず視線をさ迷わせていたら、朝日はふっと笑って真未の耳元に口を寄せた。

「ねえ、学生結婚は駄目?」

「っ……駄目……それに付き合い始めてそんなに経ってないのに結婚なんて」

「俺は初めから結婚意識して付き合ってたけど?」

「っ!?」

思ってもなかった発言に真未は顔を真っ赤にして目を見開いて固まると、朝陽は耳朶を甘噛みした。

「ひゃっ!?」

「ねえ、真未は意識しなかった?」

「ちょっ……耳元で話さないで……っ」

ねえ、どっち?と甘噛みしながら問いかけてくる朝陽の質問に答える余裕もなく真未は体の力がどんどん抜けていくのを感じ、最終的には朝陽に抱き締められぐったりと凭れ掛かるまで悪戯は続いた。
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