無自覚片思いの相手は策士な肉食系でした
「岩沢さん、はい、これ」
翌日、講義の前に朝陽が話しかけてきたと思ったら目の前に見覚えのある紙袋が差し出された。
「え、これって……」
「昨日の課題のお礼、このパン美味しいからきっと気に入ると思うよ」
「あ、ありがとう」
紙袋を受け取ると朝陽は、またよろしく!と言って去っていった。
貰ったばかりの紙袋には“Brot”と書かれていた。
ブロート……自分が働いてるパン屋の名前じゃないかとまじまじ見ていると後ろから肩を叩かれた。
「真ー未っ!おはよう!って、なに持ってるの?」
「紙袋」
「それは見たらわかる……って、真未のバイト先のパンじゃない。
買ってくるなんて珍しいね?」
「買ったんじゃなくて、貰ったんだけどね」
言いながらもう一度紙袋に視線を戻すと微かに香る香ばしい匂いに癒されて目を細める。
今朝もバイトに入ってたからこれはきっと自分が焼いたパンだろう、それを偶然にも朝陽が買っていたことにどこかくすぐったい気持ちになっていた。
翌日、講義の前に朝陽が話しかけてきたと思ったら目の前に見覚えのある紙袋が差し出された。
「え、これって……」
「昨日の課題のお礼、このパン美味しいからきっと気に入ると思うよ」
「あ、ありがとう」
紙袋を受け取ると朝陽は、またよろしく!と言って去っていった。
貰ったばかりの紙袋には“Brot”と書かれていた。
ブロート……自分が働いてるパン屋の名前じゃないかとまじまじ見ていると後ろから肩を叩かれた。
「真ー未っ!おはよう!って、なに持ってるの?」
「紙袋」
「それは見たらわかる……って、真未のバイト先のパンじゃない。
買ってくるなんて珍しいね?」
「買ったんじゃなくて、貰ったんだけどね」
言いながらもう一度紙袋に視線を戻すと微かに香る香ばしい匂いに癒されて目を細める。
今朝もバイトに入ってたからこれはきっと自分が焼いたパンだろう、それを偶然にも朝陽が買っていたことにどこかくすぐったい気持ちになっていた。