無自覚片思いの相手は策士な肉食系でした
なんだか朝陽みたいだね。

そう来るとは思わなかった朝陽は不覚にも顔を赤くして悶えてしまった。

見た目も性格も格好よくて、あの頼りない姉をしっかり支えて護ってくれて、さらに溺愛してくれる人ーー

それに対しての答えがさっきの言葉だった。
いつもは素っ気ない態度が多い真未が実はそんな風に思ってくれていたことを初めて知って、しかも恥ずかしがることもなく当然のようにさらっと言われたら、してる我慢も出来なくなる。

と言うわけで、真未を家の前まで送ったらすぐ帰る予定だったけど予定変更。
家の中に入れてもらった瞬間に後ろから抱き締めて、好き、大好き、愛してるって囁きまくるけど言葉だけじゃ全然足りなくて、振り向かせて顔中にキスしている間に真未は体の力が抜けてしまったようで腕の中でぐったりしてしまった。

「も、何なの一体……!」

「んー?溺愛中?」

「溺……っ!そんなことしなくてもいいからっ!」

「えー?俺はしたい。
飽きるまで愛でたいし溺愛したい。」

「なら早く飽きて……!」

「いや、絶対飽きないと思う」

何それ!と真っ赤になって潤んだ瞳で睨み付けてくる真未は、その表情が男にとってどれだけ破壊力があるのかをわかっていないのだろうなと苦笑すると自分が満足できるまでぎゅーっと抱き締めた。
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