無自覚片思いの相手は策士な肉食系でした
やっと朝陽が落ち着いた頃に話の続きを聞かせてもらうと、あの時真未が護っている間に陽菜はスマホで朝陽に連絡をしていたらしい。

そして、朝陽はすぐに亮太と堀原に連絡をして亮太には動画の撮影、堀原は小型カメラが入った男の荷物の確保と別角度での動画の撮影を頼んだ。
堀原は元から陽菜の近くにこっそりいて、亮太はたまたま近くにいたのですぐに行動に移せたらしかった。

「俺は言い逃れできないようなストーカーの証拠をいろいろ集めて警察に持って行ってたところでさ、いつでも訴える準備してたら出遅れた」

「格好よかったんだよ、真未ちゃん。
軽々と投げ飛ばして」

「うん、そこは見てた」

「見なくてもよかったのに……」

恥ずかしいから。と困っていると、朝陽はにっこり笑って、そんな強い真未が好きなんだよ。と言った。

さっきまで照れまくってた癖に自分では平気でそんな恥ずかしいことを言い退ける朝陽を軽く睨むが、全く効果はなかった。
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