無自覚片思いの相手は策士な肉食系でした
『あっ!プロポーズ成功!?
よかったー!!断られたら俺のせいになるかとひやひやした!』

『確実にお前のせいだな』

『ひどっ!反省してるって!!』

二人の言葉に会場中が笑いに包まれていると勇人が真未達の方に視線を向けて柔らかく微笑んだ。
その写真集でも滅多に見ることのできない笑顔にみんながキャーッ!!と黄色い声を上げていると勇人はその笑顔のままマイク越しに、おめでとう、いつまでも幸せに。と言った。

『よし!今日はお祝いだ!!
みんなで一緒にこの曲歌って祝福しよう!』

拓也がそう言って突然アカペラで歌いだしたのはKaiserの曲の一つであるウェディングソング。
拓也に続いて勇人、そして会場のみんなが二人のために歌ってくれて、真未はあまりの出来事に感動していた。

「……ねえ、ここまでが朝陽の計画通りだったの?」

「いや、俺が計画して準備してたのは真未に記入済みの婚姻届を渡すところまで。
これは想定外」

嬉しそうに微笑む朝陽に真未も笑い返す。
大合唱となったウェディングソングはいつまでも忘れることなく、真未の心に残り続けた。
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