無自覚片思いの相手は策士な肉食系でした
イヤホンで音楽を聞きながら校内にある噴水の前で待っていると、数人の男子が寄ってきた。
たまにこうやって寄ってくる時があり、正直めんどくさいと思っていたら向こう側がいきなり馴れ馴れしく話しかけてきた。
「ねえ、一人?それとも待ち合わせ?」
「………」
「俺ら今暇してたんだけど、一緒に遊びに行かない?」
「……」
「聞こえてるんだろ?何か言えよ」
「……」
事故防止のために音楽を聞きながらでも外の音も聞こえるというイヤホンを使っていたが、ごく稀にこんなお誘いが聞こえてしまうのには辟易している。
大抵は聞こえないふりをしていれば勝手にどっか行ってくれるのだけれど、今日はしつこい人達が来たらしく無視しても引き下がる気配はない。
面倒だな……。
そう思っていると実力行使に出たのか突然腕を掴まれ引っ張られそうになったので、無意識にその手の小指を逆さに捻った。
「いってっ!!」
「あら、悪いわね。
でも勝手に触らないでくれる?」
不愉快だわ。と悪びれた様子なく言いのけると、腕を掴んできた男は自分の指を擦りながら後ずさった。
「もう行こうぜ」
「そ、そうだな……」
「お前みたいな女、こっちから願い下げだ」
うわ……そんなこと言うやつ本当にいるんだ……。と呆れつつ掴まれた腕をパンパンと払って首だけで後ろを振り返った。
「隠れてないで出てきたら?」
そう言うと、噴水の反対側でしゃがんでいた朝陽がひょっこり出てきた。
たまにこうやって寄ってくる時があり、正直めんどくさいと思っていたら向こう側がいきなり馴れ馴れしく話しかけてきた。
「ねえ、一人?それとも待ち合わせ?」
「………」
「俺ら今暇してたんだけど、一緒に遊びに行かない?」
「……」
「聞こえてるんだろ?何か言えよ」
「……」
事故防止のために音楽を聞きながらでも外の音も聞こえるというイヤホンを使っていたが、ごく稀にこんなお誘いが聞こえてしまうのには辟易している。
大抵は聞こえないふりをしていれば勝手にどっか行ってくれるのだけれど、今日はしつこい人達が来たらしく無視しても引き下がる気配はない。
面倒だな……。
そう思っていると実力行使に出たのか突然腕を掴まれ引っ張られそうになったので、無意識にその手の小指を逆さに捻った。
「いってっ!!」
「あら、悪いわね。
でも勝手に触らないでくれる?」
不愉快だわ。と悪びれた様子なく言いのけると、腕を掴んできた男は自分の指を擦りながら後ずさった。
「もう行こうぜ」
「そ、そうだな……」
「お前みたいな女、こっちから願い下げだ」
うわ……そんなこと言うやつ本当にいるんだ……。と呆れつつ掴まれた腕をパンパンと払って首だけで後ろを振り返った。
「隠れてないで出てきたら?」
そう言うと、噴水の反対側でしゃがんでいた朝陽がひょっこり出てきた。