無自覚片思いの相手は策士な肉食系でした
「デビューして歌ってるのを見た時にビビって来たの!
電撃が走るってこの事を言うんだって初めて知ったもの!」

Kaiserの話をする真未の話を聞きながら頷く。
普段は口数も少ないのに好きなもののことになるとこんなに饒舌になって生き生きした表情になるのは新たな発見だ。

「岩沢さんは特にどっちが好きとかある?」

「ないない、二人合わせてKaiserで二人とも好きだもん!
秋村君はどっちが好きとかあるの?」

「俺も二人とも好きだなー。
やっぱ二人ともそれぞれ魅力があって格好いいし」

そうなんだよね!さすが秋村君、わかってるねー!と嬉しそうに笑っている真未に少し安心した。
どちらかに執着しているわけでもないなら、自分が入る隙はあるのかもしれない。

……隙がなくても無理矢理入り込む予定ではあるけれど……。

「そう言えばCDのシェアするって約束したときに迷わずType-B選んでたけど、そっちに好きな曲入ってた?」

「や、曲は全部好きなんだけど決め手はこれだったのよ」

言いながら鞄の中に入れてたCDを取り出して限定特典のDVDを見せてくる。
指差されたそこをじっと見ていると、ある曲名が目に入ってきた。
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