無自覚片思いの相手は策士な肉食系でした
「ほら、秋村君に彼女いなかったじゃん!
やっぱり真未に好意が……って聞いてる?」
学食で食事しながら杏子が何か言っているけれど、正直全く耳に入ってこなかった。
それほど朝陽が彼女と別れたことに衝撃を受けたわけだけれど……。
「最悪だ……」
「え?何か言った?」
何でもない。と答えて紙袋からパンを取り出してかじりつく。
さっきの講義が終わってから例の如く朝陽から渡されたパンで、今日はカレーパンらしい。
もぐもぐ食べながら自分の中で気持ちを整理する。
高校の時から付き合っていた最愛の彼女と別れた朝陽、その事に衝撃を受けながらもどこか心の中で喜んでいる自分がいた。
そんな性格の悪いところが自分にもあったのだと初めて知り、それにもショックを受けている。
「ほんっと、最悪……」
「何、そのパン美味しくなかったの?」
そんなわけないじゃない。と軽く睨んでカレーパンを食べ続ける。
パンの具材は全て絢さんが店でパンに合う最高の味付けで手作りしているのだから、美味しくないわけがない。
今日も朝からバイトに入って最高の焼き加減で焼いてきたんだから。
それなのに、今はあまり味がわからず美味しく感じられなかったのも事実で、真未は肩を落とすと小さく溜め息をついた。
やっぱり真未に好意が……って聞いてる?」
学食で食事しながら杏子が何か言っているけれど、正直全く耳に入ってこなかった。
それほど朝陽が彼女と別れたことに衝撃を受けたわけだけれど……。
「最悪だ……」
「え?何か言った?」
何でもない。と答えて紙袋からパンを取り出してかじりつく。
さっきの講義が終わってから例の如く朝陽から渡されたパンで、今日はカレーパンらしい。
もぐもぐ食べながら自分の中で気持ちを整理する。
高校の時から付き合っていた最愛の彼女と別れた朝陽、その事に衝撃を受けながらもどこか心の中で喜んでいる自分がいた。
そんな性格の悪いところが自分にもあったのだと初めて知り、それにもショックを受けている。
「ほんっと、最悪……」
「何、そのパン美味しくなかったの?」
そんなわけないじゃない。と軽く睨んでカレーパンを食べ続ける。
パンの具材は全て絢さんが店でパンに合う最高の味付けで手作りしているのだから、美味しくないわけがない。
今日も朝からバイトに入って最高の焼き加減で焼いてきたんだから。
それなのに、今はあまり味がわからず美味しく感じられなかったのも事実で、真未は肩を落とすと小さく溜め息をついた。