無自覚片思いの相手は策士な肉食系でした
「秋村君お待たせ、待った?」
「いやー?ちょっとしか待ってないよ」
「そこ、嘘でも待ってないって言わないのね」
嘘ついても意味ないじゃん。と明るく笑う朝陽に苦笑いして真未はCDが入った袋を差し出そうとするが、その前に朝陽はくるっと体の向きを変えるといきなり歩きだした。
「あ、あれ?秋村君、CDまだ渡してないけど!?」
「それは後にしてさ、とりあえず腹減ってない?
俺、昼飯まだでさー、何か食べに行こうよ」
「え、あ、ちょっと……!」
返事など最初から気にしていないようで、後ろを振り返ることなく先を歩いていく朝陽に真未は小さく溜め息をついた。
「岩沢さんって、食べ歩きしても抵抗ないタイプ?」
「うん、別に大丈夫だけど?」
「じゃあさ、いろいろ食べようよ。
はい、これ」
そう言って渡されたのは食べ歩きマップ。
冊子になっている紙を開いてみると食べ物を買うとスタンプを押してもらえるようになっていて、載っている食べ物の写真もなかなか美味しそうだった。
そして、スタンプを全部集めたら抽選で越名陽菜デザインのオリジナル手帳が当たるらしい。
「出来れば全部制覇したいからさ、いっぱい歩いて少しでも腹空かさないと」
「なるほど……。
ていうか、秋村君も陽菜ちゃんのファンだったの?」
抽選目当てだと思って聞くと、朝陽は苦笑いした。
「いや、嫌いではないけど特にファンではないかな。
俺はただスタンプ集めたいだけ」
「そうなの?
私は抽選目当てで食べようかな」
俄然興味が湧いてきた真未は朝陽を追い抜くと、早く行くよ!と振り返った。
その変わりように朝陽は真未から見えないようにニヤリと笑ったのだが、真未が気づくことはなかった。
「いやー?ちょっとしか待ってないよ」
「そこ、嘘でも待ってないって言わないのね」
嘘ついても意味ないじゃん。と明るく笑う朝陽に苦笑いして真未はCDが入った袋を差し出そうとするが、その前に朝陽はくるっと体の向きを変えるといきなり歩きだした。
「あ、あれ?秋村君、CDまだ渡してないけど!?」
「それは後にしてさ、とりあえず腹減ってない?
俺、昼飯まだでさー、何か食べに行こうよ」
「え、あ、ちょっと……!」
返事など最初から気にしていないようで、後ろを振り返ることなく先を歩いていく朝陽に真未は小さく溜め息をついた。
「岩沢さんって、食べ歩きしても抵抗ないタイプ?」
「うん、別に大丈夫だけど?」
「じゃあさ、いろいろ食べようよ。
はい、これ」
そう言って渡されたのは食べ歩きマップ。
冊子になっている紙を開いてみると食べ物を買うとスタンプを押してもらえるようになっていて、載っている食べ物の写真もなかなか美味しそうだった。
そして、スタンプを全部集めたら抽選で越名陽菜デザインのオリジナル手帳が当たるらしい。
「出来れば全部制覇したいからさ、いっぱい歩いて少しでも腹空かさないと」
「なるほど……。
ていうか、秋村君も陽菜ちゃんのファンだったの?」
抽選目当てだと思って聞くと、朝陽は苦笑いした。
「いや、嫌いではないけど特にファンではないかな。
俺はただスタンプ集めたいだけ」
「そうなの?
私は抽選目当てで食べようかな」
俄然興味が湧いてきた真未は朝陽を追い抜くと、早く行くよ!と振り返った。
その変わりように朝陽は真未から見えないようにニヤリと笑ったのだが、真未が気づくことはなかった。