無自覚片思いの相手は策士な肉食系でした
「はい、これ昨日渡し忘れたCDとカフェオレ」
そう言いながら笑顔のまま差し出された紙袋を真未は素直に受け取った。
昨日これを受け取るためにわざわざ会ったと言うのにすっかり忘れて帰ってしまって、ただ食べ歩きして周りに誤解されただけの一日で終わってしまった。
「秋村君、真未と付き合ってるって本当?」
「それは想像に任せるよ。
それよりさ、真未に他に渡したいものがあるんだけど」
ざわっ!と一瞬教室の中がどよめいた。
それはごく自然に呼ばれた“真未”と言う名前のせいだろうと真未は顔をしかめた。
「あのさ、秋村君?
いい加減誤解されるようなこと……」
「これ、何かわかるー?」
文句を言おうとした真未は見せられた物に思わず口の動きが止まり目を見開かせる。
朝陽が持っている物、それは大ファンの陽菜のサイン入りカフェオレボウルだった。
「え、これって!」
「これ姉が貰った物なんだけどさ、大ファンの子がいるって言ったら迷惑じゃなかったら貰ってほしいって」
「い、いいの?
だってこれ、抽選でしか当たらないレアな物だよ?」
「本人がいいって言ってるからいいんじゃない?」
「ありが……!?」
喜んで受け取ろうとしたらその前に朝陽がひよいっと上に上げてしまった。
届かないその高さと動作に目を丸くしていると、朝陽はニヤッと笑った。
そう言いながら笑顔のまま差し出された紙袋を真未は素直に受け取った。
昨日これを受け取るためにわざわざ会ったと言うのにすっかり忘れて帰ってしまって、ただ食べ歩きして周りに誤解されただけの一日で終わってしまった。
「秋村君、真未と付き合ってるって本当?」
「それは想像に任せるよ。
それよりさ、真未に他に渡したいものがあるんだけど」
ざわっ!と一瞬教室の中がどよめいた。
それはごく自然に呼ばれた“真未”と言う名前のせいだろうと真未は顔をしかめた。
「あのさ、秋村君?
いい加減誤解されるようなこと……」
「これ、何かわかるー?」
文句を言おうとした真未は見せられた物に思わず口の動きが止まり目を見開かせる。
朝陽が持っている物、それは大ファンの陽菜のサイン入りカフェオレボウルだった。
「え、これって!」
「これ姉が貰った物なんだけどさ、大ファンの子がいるって言ったら迷惑じゃなかったら貰ってほしいって」
「い、いいの?
だってこれ、抽選でしか当たらないレアな物だよ?」
「本人がいいって言ってるからいいんじゃない?」
「ありが……!?」
喜んで受け取ろうとしたらその前に朝陽がひよいっと上に上げてしまった。
届かないその高さと動作に目を丸くしていると、朝陽はニヤッと笑った。