無自覚片思いの相手は策士な肉食系でした
真未……?
聞こえてきた名前にじっと店の奥の方を見ていたら陽菜が、もしかして、さっきのコックさんかな……?と心配そうに呟いていた。
「さっきのって、今話してたブーランジェの?」
「うん、さっき名前を教えてもらったの。
確か岩沢真未さんって……」
その名前に反応して思わず立ち上がりかけると、お待たせしました。と注文を聞きに来たバイトの子がクロワッサンアイスを運んできた。
「……奥の方が騒がしかったようだけど、誰か怪我したんですか?」
「あ、聞こえちゃいましたか?すみません、お騒がせしました。
ちょっとパン職人の者が火傷を……」
「パン職人って……岩沢さん、ですか?」
陽菜がおずおずと聞くとその子は陽菜を見て、小さく頷いた。
「そうです、真未さ……岩沢です」
「あの、大丈夫なんですか?」
陽菜の言葉にどう答えようか悩んでいるらしいその子は暫く考えると小声で、今は応急処置として冷やしていますが、それ以上はお話しできません。と申し訳なさそうに頭を下げてその場を去った。
「……大丈夫かな?」
まだ心配そうにしている陽菜は熱々のクロワッサンに挟まれて溶け始めたアイスをじっと見つめている。
朝陽も気になりつつ、とりあえず食べようか。と陽菜を促しクロワッサンにナイフを入れた。
聞こえてきた名前にじっと店の奥の方を見ていたら陽菜が、もしかして、さっきのコックさんかな……?と心配そうに呟いていた。
「さっきのって、今話してたブーランジェの?」
「うん、さっき名前を教えてもらったの。
確か岩沢真未さんって……」
その名前に反応して思わず立ち上がりかけると、お待たせしました。と注文を聞きに来たバイトの子がクロワッサンアイスを運んできた。
「……奥の方が騒がしかったようだけど、誰か怪我したんですか?」
「あ、聞こえちゃいましたか?すみません、お騒がせしました。
ちょっとパン職人の者が火傷を……」
「パン職人って……岩沢さん、ですか?」
陽菜がおずおずと聞くとその子は陽菜を見て、小さく頷いた。
「そうです、真未さ……岩沢です」
「あの、大丈夫なんですか?」
陽菜の言葉にどう答えようか悩んでいるらしいその子は暫く考えると小声で、今は応急処置として冷やしていますが、それ以上はお話しできません。と申し訳なさそうに頭を下げてその場を去った。
「……大丈夫かな?」
まだ心配そうにしている陽菜は熱々のクロワッサンに挟まれて溶け始めたアイスをじっと見つめている。
朝陽も気になりつつ、とりあえず食べようか。と陽菜を促しクロワッサンにナイフを入れた。