無自覚片思いの相手は策士な肉食系でした
「本当に大丈夫?病院、ついていこうか?」
「いえ、大丈夫です。
絢さんはお店にいてあげてください」
心配する絢をなんとか説得して薄めのハンカチで巻いた保冷剤を両手で包み込むように持ちながら裏口を出て絢の方へ体を向けた。
「でも両手が使えないんじゃ大変なんじゃないかしら?」
「その時はその時でなんとか……」
「大丈夫ですよ、俺がついていきますから」
聞きなれた声に後ろを振り返ると案の定そこには朝陽が立っていて、周りを見ても陽菜の姿は見えず一人だけのようだった。
「あら、あなたは?」
「秋村です、真未と付き合ってます」
「いや、付き合ってな……」
「まあ、そうなの!彼氏さんが一緒なら安心ね。
真未ちゃん、お大事にね」
「え、ちょっと、絢さん……!」
誤解を解こうと呼び止めようとするが朝陽の登場に安心した絢は颯爽と中に入ってしまった。
両手が使えない状態の真未がドアを開けて追いかけることも叶わず呆然と立っていると、朝陽がさりげなく真未から荷物を取った。
「ほら、早く行くよ」
「え?あ、朝陽?」
真未が戸惑っている間にも朝陽は先を歩いて行ってしまう。
昨日キスしたことも、陽菜と仲睦まじく店にいたことも気にしてないようないつも通りの朝陽に真未の方が逆に動揺していた。
「いえ、大丈夫です。
絢さんはお店にいてあげてください」
心配する絢をなんとか説得して薄めのハンカチで巻いた保冷剤を両手で包み込むように持ちながら裏口を出て絢の方へ体を向けた。
「でも両手が使えないんじゃ大変なんじゃないかしら?」
「その時はその時でなんとか……」
「大丈夫ですよ、俺がついていきますから」
聞きなれた声に後ろを振り返ると案の定そこには朝陽が立っていて、周りを見ても陽菜の姿は見えず一人だけのようだった。
「あら、あなたは?」
「秋村です、真未と付き合ってます」
「いや、付き合ってな……」
「まあ、そうなの!彼氏さんが一緒なら安心ね。
真未ちゃん、お大事にね」
「え、ちょっと、絢さん……!」
誤解を解こうと呼び止めようとするが朝陽の登場に安心した絢は颯爽と中に入ってしまった。
両手が使えない状態の真未がドアを開けて追いかけることも叶わず呆然と立っていると、朝陽がさりげなく真未から荷物を取った。
「ほら、早く行くよ」
「え?あ、朝陽?」
真未が戸惑っている間にも朝陽は先を歩いて行ってしまう。
昨日キスしたことも、陽菜と仲睦まじく店にいたことも気にしてないようないつも通りの朝陽に真未の方が逆に動揺していた。