無自覚片思いの相手は策士な肉食系でした
少しだけ電車に乗って着いたのは大きなショッピングモール。
映画館でデートっぽくラブストーリーでも見てみようかという話になったのだけれど真未が財布を出すよりも早く朝陽が二人分支払ってしまい、真未は慌てていた。
「自分の分は自分で出すのに……」
「いいって、一人暮らしで出費も多いだろ?それに、彼女に奢るのも彼氏の特権だし?」
「そんな特権聞いたことないわよ。
朝陽は実家暮らしだけどバイトしてないでしょ?無理に使わなくても……」
「いや俺、仕事してるから」
「え?」
予想外の言葉に立ち止まり目を見開くと、朝陽は振り返りニヤッと笑った。
「だからその気になれば今すぐにでも結婚して真未を養っていけるよ」
「けっ……!?」
見開いた目のまま顔を赤くすると、朝陽は固まってしまった真未の左手を掬い上げてその薬指に唇を落とした。
「なっ……!」
「予約。
絶対誰にも渡さないでよ」
薬指に唇を触れさせたまま微笑んで話す朝陽に周りの人達も立ち止まり、わー……。と興味津々に見てくる。
その空気に耐えきれなくなった真未は慌てて朝陽の手を振りほどくと映画の始まる指定された席へと急いだ。
映画館でデートっぽくラブストーリーでも見てみようかという話になったのだけれど真未が財布を出すよりも早く朝陽が二人分支払ってしまい、真未は慌てていた。
「自分の分は自分で出すのに……」
「いいって、一人暮らしで出費も多いだろ?それに、彼女に奢るのも彼氏の特権だし?」
「そんな特権聞いたことないわよ。
朝陽は実家暮らしだけどバイトしてないでしょ?無理に使わなくても……」
「いや俺、仕事してるから」
「え?」
予想外の言葉に立ち止まり目を見開くと、朝陽は振り返りニヤッと笑った。
「だからその気になれば今すぐにでも結婚して真未を養っていけるよ」
「けっ……!?」
見開いた目のまま顔を赤くすると、朝陽は固まってしまった真未の左手を掬い上げてその薬指に唇を落とした。
「なっ……!」
「予約。
絶対誰にも渡さないでよ」
薬指に唇を触れさせたまま微笑んで話す朝陽に周りの人達も立ち止まり、わー……。と興味津々に見てくる。
その空気に耐えきれなくなった真未は慌てて朝陽の手を振りほどくと映画の始まる指定された席へと急いだ。