無自覚片思いの相手は策士な肉食系でした
その日から真未がバイトに入っているときにはほぼ確実に例の常連の人がやってくるので真未は出来るだけ厨房にいるようにしていたのだが、最近入ったフロアの新人の子はことある事に真未に助けを求めてしまうのでどうしても顔を出すことも多かった。
「岩沢さん、あの……今日のおすすめのパンは何でしょう?」
またか……。と思っていたのが表情に出たのかチラッと厨房に顔を出した新人の子は真未の顔を見るとビクッと肩を跳ねさせて怯えてしまったようだった。
「今出したばかりのカルツォーネがおすすめだって伝えて」
「カ、カルツ……?」
聞き慣れない単語に戸惑った様子の新人に小さく息をつくとその子の側を通り抜けてフロアに出た。
「岩沢さん、ごめんね忙しかったんじゃない?」
「大丈夫です。
今日のおすすめはこちらのカルツォーネになります」
「じゃあ、それとコーヒーを。
ところで、岩沢さんの彼氏って兄弟はいるのかな?」
「いるかもしれないし、いないかもしれませんね。
では、少々お待ちください」
用は済んだと言わんばかりにあえて素っ気なく対応して厨房に戻る。
会話の後には必ずと言っていいほど何かしらの質問をしてくるあの人に真未のイライラは募っていく一方だった。
「岩沢さん、あの……今日のおすすめのパンは何でしょう?」
またか……。と思っていたのが表情に出たのかチラッと厨房に顔を出した新人の子は真未の顔を見るとビクッと肩を跳ねさせて怯えてしまったようだった。
「今出したばかりのカルツォーネがおすすめだって伝えて」
「カ、カルツ……?」
聞き慣れない単語に戸惑った様子の新人に小さく息をつくとその子の側を通り抜けてフロアに出た。
「岩沢さん、ごめんね忙しかったんじゃない?」
「大丈夫です。
今日のおすすめはこちらのカルツォーネになります」
「じゃあ、それとコーヒーを。
ところで、岩沢さんの彼氏って兄弟はいるのかな?」
「いるかもしれないし、いないかもしれませんね。
では、少々お待ちください」
用は済んだと言わんばかりにあえて素っ気なく対応して厨房に戻る。
会話の後には必ずと言っていいほど何かしらの質問をしてくるあの人に真未のイライラは募っていく一方だった。