晴れた雨
「そもそも、正義感の塊の遥斗が不良なんてないから。」
「へー、じゃあ皆の勘違いってわけだ。」
「そうそう、ね、遥斗。」
盛岡くんが安藤くんに話を振ると、安藤くんは明らかに沈んでいた。
「俺が不良…?不名誉だ…最悪だ…」
「ね、ありえないよ。
そもそも、遥斗の夢は警察官だからね~」
なるほど、だからかつあげもスルーできなかったのか。
「あー、なんか結構ショックだ…」
「そこまで落ち込む?」
あまりに落ち込むもんだから私は思わず聞いてしまった。
すると、安藤くんはパッチリした目を私に向けた。
うわ、まつ毛ながっ、肌綺麗~
男子とは思えない可愛らしい顔を見ていると、自然とそう思った。
「そりゃ落ち込むって…
だから俺に近づいてくるのは、派手目なやつらだったのか…」
「中学時代では考えられないよな。」
「まぁ、皆良いやつらなんだけど。」
安藤くんのことはよく知らなかったけど、噂って鵜呑みにしたらダメなんだな~
いつのまにか、私は失恋したことなどどうでもよくなっていた。