晴れた雨
「そう言えばそろそろクラスマッチあるよね?」
「あー、確か夏休み前だったかも。」
クラスマッチ、それはクラスの親睦を深めるための大切な行事。
と、先生達は言っているが、運動が苦手な私からしたらとんでもない行事だ。
どうせ今年も足を引っ張るんだから、休んでしまおうか…と思うくらい。
「女子は何すんの?」
「えっとね、バレーかサッカーだったかな。」
「薫はどっちでる?」
「サッカーかな。」
サッカーなら人数も多いし、影に隠れることができるはずだ。
そんな浅はかな考えで私は選んでいた。
「男子は?」
「バレーかバスケ。」
「盛岡は絶対バレーでしょ。」
「当たり~。何でわかったの?」
盛岡くんが目をパチパチさせて驚きの表情をする。
「女の勘。」
優実は得意気な顔でそう言った。
実はもう安藤くんに聞いていたからなんだけど…
優実は盛岡君をからかうのが楽しいらしい。
確かに彼は、いじると面白い反応をしてくれるから気持ちはわかるけど。
「女の勘ってすごいな。」
「まぁね、なかなか当たるから。」
「へぇ~」
見事に遊ばれている盛岡くん。
「はーい、HR始めまーす。」
二人の会話を聞いていると先生が入ってきたので、私たちは自分の席に戻った。
クラスマッチか…嫌だなぁ…