晴れた雨
「木村さん、あんたのことマークしてるよ。」
優実が私の側にやってきてそう呟いた。
「あと、あそこに真野がいる。」
優実の指差す方向を見てみると、そこには確かに真野くんがいた。
木村さんの試合を応援しに来たのだろうか。
久しぶりに真野くんを見たら、心臓が大きく跳ねた。
真野くんは私に気がついたのか、少しばつが悪そうな顔をして会釈する。
無視されなかったことが嬉しくて、私も会釈を仕返す。
たったそれだけのことなのに、私の心臓はどんどんうるさくなっていく。
「薫、試合始まる。」
「あ、うん。」
ダメだダメだ、真野くんはもう彼女がいるんだから。
そう言い聞かせ、私は試合に集中する。
その後、何度かパスは来たけど、その度に木村さんに遮られた。
だんだんと私もイライラしてきたが、運動音痴な私が悪いので文句も言えなかった。
結局松野さんの働きで2組はなんとか4組に勝つことができた。
が、3年との試合で惨敗してしまい、予選敗退。
午前中でサッカーの試合は終わってしまい、午後からは観戦に勤しんだ。