晴れた雨

「大体、元々あの二人は良い感じだったじゃん。」

「うぅ…分かってるけど…分かってたけどさぁ!

だったらあんな思わせ振りな態度とらないでよ!期待しちゃうじゃんバカぁぁ!!!」

もうお気づきではあるでしょうが、私がこんなに落ち込んでいる理由は失恋だ。

一年の頃から好きだった真野 裕翔(マノユウト)くん、最近やたら絡んで来るから私のこと気になってるのかなって…

そんな淡い期待を抱いた私をぶん殴ってやりたい。

結局真野くんは元々仲が良かった女子と付き合って、私は見事玉砕。

ふざけんじゃねぇ!!

「てゆうか、薫が舞い上がってただけだけどね。」

優実の的確な言葉が私の傷口を容赦なくえぐる。

「でも、でも私頑張ってたよね?!ね?!」

結果はどうであれ、頑張っていたことには間違いない。

苦手なメイクだって練習したし、ダイエットもした。

可愛くなろうと努力した過程はきっと無駄ではなかったはず。

そういう思いをこめて、優実に必死に問いかけた。

「うん、例え当て馬だったとしても、薫はよく頑張ってたよ。」

「当て馬?!」

「あ、嘘、ごめん。」

まさに思わず出た本音という感じだ。

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