晴れた雨
「うーん…俺としては可愛い彼女を好奇の目に晒すことは許せないな~」
盛岡くんのその発言で、瀬野くんはピタッと動きを止めた。
そしてしばらく沈黙したあと、
「え?」
ようやくその一言を発した。
「カノジョッテナニ?」
何故かカタコトになりながら、盛岡くんに問いかける。
「あぁ、俺と優実ちゃん昨日から付き合ったんだよ~」
「えぇ?!」
瀬野くんの声が教室に響き渡る。
「うるさい、黙れ。」
無駄に注目を浴びてしまったことに、不快感を隠そうともせず優実は瀬野くんに言った。
もちろん私は知っていた。
昨日メッセージで連絡があったのだ。
「晴れて交際1日目~」
「おめでとう~!」
「どうもどうも。」
呆然とする瀬野くんをおいて、私たちは和やかに拍手する。
まぁ、前々から二人はお似合いだと思っていたから、私としてはやっと付き合ったか、という感じ。
「で、プールの件だけど、二人とも可愛いからナンパされそうで怖いんだよね。
だから、俺たちもついていく事が条件ね。」
そう言う盛岡くんに、嫌そうな顔をした優実を私は見逃さなかった。
結局夏休みの予定は、プールに行くことになり、メンバーは私、優実、盛岡くん、瀬野くん、安藤くんの五人。
夏祭りは瀬野くんの予定が会わなかったため、私、優実、盛岡くん、安藤くんの四人。
ちなみに安藤くんは強制参加だ。