晴れた雨
「昨日さ、階段で転んで膝擦りむいちゃった。」
「うわー、痛そう…」
「山森、宿題見して!」
「えー、また?」
山森さんはいつの間にか山森に。
「次のテスト負けた方がジュースな!」
「挑むところ!」
些細なことで笑いあった。
男友達の少ない私が、真野くんに恋をするのはごく自然な流れだった。
「薫ちゃんと真野くんって仲良いよね。」
「うん、付き合ってるの?」
「えー、ないない。」
クラスメイトからのそんな質問も、否定はしているが満更でもなかった。
端から見たら付き合ってるように見えるのか~
なんて、少し優越感もあったものだ。
私はそれから雑誌やネットなどで、おしゃれを研究し、メイクも頑張った。
もちろん先生にバレない程度に。
「山森、今度映画行かね?」
「良いよ~、なんの?」
「最近流行りのデスゲーム!はやめて、普通のラブコメ。」
「なんで最初デスゲームって言ったの。」
休日はたまに遊びに行くようにもなった。
毎日とは行かなくても、メッセージもする。
なんとなく良い感じではないかと思っていた。
だけど…