晴れた雨
とは言っても、そう簡単に新しい恋なんてないか…
そもそも、恋というものはするものじゃなくて自然としているものなんだ。
「うーん…」
「山森、目、腫れてない?」
「うわっ!」
「うわってなんだよ。」
トイレに行こうと廊下を歩いていると、安藤くんに声をかけられた。
考え事をしていたせいで、またも驚かされる。
「別にビックリしただけだけど。」
「え、脅かした?」
「ううん、大丈夫。」
まぁ、心臓に悪いのは間違いない。
「で、なんで目が腫れてんの?」
「ちょっと昨日お母さんと喧嘩して。」
私は咄嗟に嘘をついた。
まさか自分の惨めさに泣いてましたーなんて言えるはずない。
「へー、母さんと喧嘩ね~」
「ところで、安藤くんっていつから私の事山森って呼んでたっけ?」
私は咄嗟に話題を変える。
「いつから?さぁ、覚えてない。」
そのせいで変なことを聞いてしまった。
まぁ、呼び方なんてちつのまにか変わってるものか。