晴れた雨

「じゃあ、山森はいつになったら安藤くん呼びやめてくれんの?」

「いつ?」

そういえば優実は安藤くんも盛岡くんも呼び捨てだけど、私はずっとくんづけだった。

「やめた方がいい?」

「もう友達なんだし、くんづけは距離感じね?」

「確かに…あ、じゃああんどゅーは?」

「却下。」

「えー、良いじゃん、あんどゅー。」

「マジで言ってんなら山森の感覚やべーよ。」

「冗談に決まってるじゃん。」

あんどゅーなんて呼んでたら絶対いつか噛むわ。

「普通に安藤とか遥斗とかさ。」

「あ、遥斗ちゃんは?」

「それだけは絶対やめろ。」

「まぁ、無難に安藤かな~」

名字を呼び捨てにするのは慣れないけど、遥斗呼びよりはましだ。

安藤くんの方がしっくりくるんだけどな~

「遥斗、購買いこうぜ!」

「あ、おう。じゃあな、山森。」

「あ、うん、ばいばい。」

友達と一緒に去っていく安藤くん。

…その中には女の子が混じっていた。

「いやいや、なに考えてんだか。」

安藤くんに友達が増えるのは良いことだ。

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