晴れた雨

灰色プール


「プールだ~!!」

「よーし、泳ぐぞ~!!」

「あいつらうるせぇ…」

盛岡くんと瀬野くんのテンションの高さに機嫌が悪くなる優実。

夏休みに入った今、私たちは予定通りプールに来ている。

今日は太陽がギラギラと輝いていて、間違いなくプール日和だ。

「あれ、安藤は?」

「あ、あそこにいる。」

「なにしてんの、あれ。」

「さぁ、運動?」

いっちにさんっし、と声が聞こえてくるからおそらく準備運動だろう。

学校でもないのに真面目だな~

「須藤ちゃーん、山ちゃーん泳がないのー?」

瀬野くんがプールの中から私たちに叫んでくる。

「言われなくても泳ぐつっーの!」

上にはおっていたパーカーを華麗に脱ぐ優実。

その下には、ボンッキュッボンなナイスバディが。

スラリとした足に、適度に引き締まったお腹。

淡い赤色のビキニがとても似合っている。

「おぉ…」

その体型に私は思わず声をあげてしまった。

「薫はそのまま泳ぐの?」

「うん、ビキニは無理…」

対する私は、ビキニの上にショーパン水着とシャツを着ている。

たぜなら、優実の隣ではあまりにお粗末な体だからだ。

「痩せとけばよかった…」

失恋したショック…というのは建前で、最近食べ過ぎてリバウンド気味なのだ。

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