晴れた雨
「はぁ、一休憩~あれ、薫も休憩?」
「え、う、うん。」
落ち着きを取り戻そうと、シートの上で休憩していたら優実がやって来た。
一泳ぎしてさっぱりしているのか、いつもより顔が清々しい。
「にしてもプールとか久々だわ~」
「うん、そうだね…」
「あれ、薫る浮き輪は?」
「あ、うん、膨らませてなくて…」
優実の質問にスムーズに答えられない。
だめだ、全然落ち着いてないじゃん。
「…なんかあった?」
「え、な、なんで?」
「だって、明らかに挙動不審だし。」
「やっぱり分かる?」
「うん、バレバレ。」
さすが小学生から一緒なだけある、私の事をよくご存じだ。
「あのね、ちょっと恥ずかしいことがあって…」
私は、さっきあったことを優実に説明する。
「へー、それは恥ずかしいわ。」
「だよねぇ~…」
思い返す度、自分をしばきたくなる。
「まぁでも、安藤の方は気にしてないんじゃない?
ほら、あそこでバカやってるし。」
優実が指差した先には、水を掛け合う三人の姿。
それを見てると、確かに気にしてないようには思うけど、友達といるんだから気が紛れてるだけじゃない?
「なんにせよ、薫はそんなに気にしなくて良いよ。
絶対大丈夫だから。」
「何で絶対?」
「私の勘。」
「でた、優実の勘。」