晴れた雨
「悪い、泣かすつもりはなかったんだけど…」
背中を向けていた安藤くんが、バツが悪そうに私の方を向いた。
初めて見るその顔は、思ったより可愛い顔をしていた。
この顔でタバコやお酒…?似合わなすぎる…
「あまりに二人の会話が面白すぎて…」
「お、面白い…?」
聞き捨てならない言葉を耳が拾った。
私の失恋したという会話が面白いだと?
「どこが面白いの!」
「須藤さん…だっけ?当て馬とかなんとか…普通失恋したばっかの友達に言う?」
「いや、つい。
薫見てると言いたくなっちゃって。」
「ついじゃないよ!」