密会~合コン相手はドS社長~
「社長、危ないじゃないですか。」

「店、ここにしよう。」

看板を見ると、怪しい小料理屋さんだった。

しかも、お店の中は汚い。

「えー社長。ちょっと雰囲気が……」

「こういう汚い店程、料理は上手いんだよ。」

「そうだ、この先のイタリアンにしません?」

「おまえに、決定権はない。」

「そんな。」

ガクっときている私の手を引き、社長は小料理屋さんへと入って行った。


「順番に座って。」

店主の言う通りだが、空いている椅子は、真ん中の二つしかない。

しかも椅子は、ガタガタ言いそうな、古い丸椅子。

「いいなぁ。この店の雰囲気。」

「はぁ……」

子供のように目をキラキラさせている社長が、私にはもう分からない。

とりあえず、メニューはと。

見れば、ビールと日本酒しかない。
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