新堂三兄弟のお姫様
よりにもよって厄介な
喜野と同じクラスになるなんて。
喜野のお世話係は私で決定か。
喜野の腕を引き、教室の席に
座らせると、喜野はイヤホンを取り出す。
これでひとまず安心だ。
私がもう一度、水瀬さんの
元へ向かうと、彼女はまた
メモ帳に何かを書き込んでいた。
香夜「やっぱり喜野くんは女嫌いか。」
妃乃「あの、水瀬さん。」
香夜「何?」
妃乃「さっき言ってた
新堂三兄弟のお姫様って
何の事なの?」
香夜「もしかして、香坂さん
知らないの?隣町の学校まで
新堂三兄弟の噂広がってるのに。」
そんなにあの三兄弟は有名なのか。
香夜「成績優秀、スポーツ万能
非の打ち所ゼロ。
クール系イケメン 新堂 那野。
喧嘩上等。でも根は優しい
ヤンキー系イケメン 新堂 仁野。
見ているだけで癒される。
母性本能くすぐられまくり。
温もり系イケメン 新堂 喜野。
顔面偏差値、最高レベルの三兄弟って
すっごい噂になってるよ。」