新堂三兄弟のお姫様
その光景を見るのはあまりにも辛すぎる。
私がその場を離れようとすると
喜野が私を呼び止めた。
喜野「ちょっと待って、ヒノ!
そこでちゃんと聞いててよ。
僕の事を振るのなら最後まで見届けて。」
ずっと喜野の事をそうゆう風には
思えなかったけど、初めて
喜野は男の子なんだって感じた。
喜野の横顔が逞しかった。
喜野「そう簡単に僕の気持ちは
変わらないかもしれない。
僕のこの気持ちのせいで水瀬ちゃんを
沢山傷付けてしまうかもしれない。
でもね、僕。ヒノ以外の女の人と
一緒にいて楽しいと思ったのは
水瀬ちゃんが初めてなんだ。
この気持ちがこれから先
恋愛感情になるかは分からない。
だけど、好きになりたい。
僕は水瀬ちゃんの事をもっと知りたい。」
香夜「キノくん...。」
喜野「ワガママ言ってごめんね。」
水瀬さんは大きく首を振ると
満面の笑みを浮かべた。