新堂三兄弟のお姫様

妃乃「ありがとうって言いたかったの。
ニノの言葉に気付かされたから。
いくら、傷付けたくないって
思ってても、やっぱり...中途半端に
優しくするのは違うよね。
だって、キノは優しいもん。
心の底から優しい。そんなキノに
真っ直ぐ向き合わないなんて不誠実だよ。」

寝転んでいたニノは起き上がると
1冊の本を書棚にしまう。

仁野「それで終わりじゃないだろ。
お前はキノとの事を全部
なかった事にするつもりなのか?」

妃乃「え?」

仁野「どれだけ分厚い鎧を着て
外敵から守られてたとしても
内側からは守ってくれない。
隠し通す。そんな器用な事が
出来る人間じゃないだろ?」

妃乃「ニノは何が言いたいの?」

仁野「キノとの事、きちんと
ナノに話せ。
自分の手で自分を苦しめるな。」
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