過去の精算
「悪いけど、君も持ってくれるか?」
はぁっ? なぜ?
「女性に荷物持たせるのは、男としてどうかと思うけど、流石に全部は持ちきれなくてね?」
「言ってる意味も、やってる事も分かりかねますが?」
「説明は後からするから、取り敢えずこれだけ持って!」
無理やり待たされた5つものショップバックに、驚いていると、彼は両肩いっぱいのショップバックと、そして両手に食品スーパーの袋を持ち、何故か私より先に、私の部屋へと歩いて行く。
「あのどちらへ?」
「君の部屋!」
はぁぁぁぁぁ?
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!」
「待てない!」
待てないって、どゆこと?
部屋の前まで来ると、彼は早くドアを開けろと言う。
「説明して頂けるまで開けれません!」
「はぁ…早く開けてくれないと、腕がどうにかなりそうだ…
患者には申し訳無いが、このままだと明日のオペは無理だな?」
オペが無理って…
それは困る!
そこまで言われてしまうと、開けざるおえない。
私がドアを開けると、彼は雪崩れ込む様にして、入って来た。
「あーマジ重かった!」
何をそんなに買ったの?
って言うか、私の部屋になぜ運び入れた?
「説明して頂けますか?」
「説明?
そんな事より、早く生もの冷蔵庫に入れた方が良い」
前谷君は、いくつもの食品スーパーの袋から、肉や魚、野菜に調味料まで出し始めた。
ナニこの量・・・
「ちょっと、そんなにうちの冷蔵庫には入りませんよ!」
「はぁ? どんだけ小さい冷蔵庫なんだよ?」
「どんだけって、こんだけですけど?って違います!
なぜ、うちの冷蔵庫に入れるんですか!?」
「今度、もっとデカイ冷蔵庫買わなきゃな?」
はぁ…?
デカイ冷蔵庫って・・・
何を勝手に…