過去の精算

「大きい冷蔵庫なんて買いません!
この部屋には必要有りません!
それより、質問に答えて下さい!」

「質問?」

「そう私の質問です!
なぜ、この食品達をうちの冷蔵庫に入れるのか!?」

「傷むから?」

「あーなるほど!って私が納得すると思いますか?」

「しない?」

「しません!」

「じゃ、お礼?」

「お礼? 若先生が私に何のお礼ですか?」

「違うだろ?
お礼は君がするんだ!」

はぁ?

「さっきの美容室で、金貸したろ?」

「あっそれなら、今からATMでおろして来てお返しします」

「なら、君の為に買った洋服も含めて、ざっと計算して1650万なるけど、一緒に返してくれるか?」

なぜにざっと計算して1650万なの!!
5万は美容室代として納得しても、頼みもしてない洋服代だ!?
それも1650万って・・・
私の年収いくらだと思ってるの!?

「私、洋服なんて頼んでませんけど!」
美容室だって頼んでなかったし!

「俺の周りに置く女性には綺麗にしていて貰いたい。って言ったろ?」

「それなら私ではなく、他の女性にして頂けますか?
私はあくまで、前谷総合病院の事務員として働いているだけで、若先生の側に置いて頂こうとは思いませんから!
どうぞ、全てお待ち帰り下さい!
さぁ、直ぐに!」

「分かった……
持ち帰る前に金払ってくれる?
1650万今すぐ耳を揃えて?」

「なっなんで!?」

「なんでって、君の為に買ったし、君の名前も入ってるから、他の女性に持っていけないんだよね?」

「服に名前って・・・」
嘘に決まってる!
全てのショップバックは高級店の物だけど、洋服に名前を入れるなんて聞いたことない。

「嘘と思うなら、確かめてみたら?」

嘘だと思いながらも、恐る恐るアルファベットCが重なる超有名高級店の物を確認したら、なんと背のタグに未琴と刺繍してあった。
他の物を見ても、同じタグが付いている。
多分、タグだけを別に作らせて、特別に付けさせたのだろう。
マジ、ありえないけど!?

それも漢字って…

「フルネームにしようかと思ったけど、流石に幼稚園児みたいだから止めといた!」

十分幼稚園児でしょう?
大の大人が自分の洋服に名前を付けたりしないでしょ!
それより、これじゃ返品も出来ないじゃない……

「今すぐ1650万返してくれるか、それとも…」

それとも?




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