過去の精算
1人より2人

「取り敢えず、腹減った!
何か食べさせてくれよ?」

「なんで!
なんで、私が!?」

「今すぐ金返せないなら、利息分として、飯を作って食べさせろ!
そうすれば、食材も無駄にならないだろ?」

なんか納得いかないけど、生鮮食品は返品出来ないし、いま直ぐにはお金は返せない。
利息分と言うなら、それはそれで仕方無い事なのか?

「分かりました!
作ります。何が良いですか?」

これだけの物が揃ってるなら、一通りの物は作れる。

「何でも良い」

「何でも良いって言われるのが、一番困ります!」

って言うか、庶民の味でいいわけ?
食材だって高いスーパーで高級品買って来てるし、どうせ食事だって有名店でしか食べてないでしょ?
あの院長夫人が、作るとは思えないし?
まぁ、お昼は美味しいって言ってたから、庶民の味付けで、口に合わないって事は無いのかな?

「じゃ、和食!」

「和食ですか?」

「和食なら、何でも良い」

彼が買って来た食品を適当に取り出し、短時間で出来そうな物を作ることにした。

甘鯛の煮付けと…白和えにしようかな?

高野 豆腐店の高そうな豆腐と、牧野さんが無農薬で育てたほうれん草と、人参を使い白和えを作り、木村 牧場の5等級の牛肉を使って牛肉しぐれ煮を作って出した。

「どうぞ!」

「へー牛肉しぐれか? 美味いな? 飯が進む!」

「この白和えも美味いよ!」

「そうですか?
じゃ、木村さんと高野さん、それから牧野さんにもお礼言わないといけませんね?
私は会った事ないですけど?」

「そうだな?
今度、礼言うよ!」

え?
「お知り合いですか?」

「いや、知らん!
スーパーで、適当に買っただけだ」

「ぷっぷっぷっふふふ…
知らない人にお礼言うって…可笑しい…
真面目な顔して言わないで下さいよ!
アハハハハ…もう、お腹痛い笑わせないでよ!」

「やっと笑ったな?」

「え?」




< 41 / 184 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop