また、君の優しさで包み込んで。
「柿崎さん、入ってもいいかな?」
「はい、どうぞ。」
看護師さんだ。
確か名前はー
「濱口です。よろしくね。」
「はい。」
優しそうな女性だ。
「咲ちゃんでいいかしら。」
「はい。」
「あのね咲ちゃん、手術したら、幸せになれる可能性はあるじゃない?」
濱口さんは話してくれた。
「でもね、手術しなかったれ、咲ちゃんの求める幸せは来ないと思うの。」
そっか。
「それにね、幸せになるのは咲ちゃんだけじゃないのよ。周りのみんなもなの。」
「そうか。そうですね。私は自分のことばかり考えてしまっていました。」
「いいわよ。気づいたら、変われるんじゃないかしらって思って。ごめんね。上からで。」
そのとき突然吐き気がした。
「濱口さん、なんか吐きそう。」
「大丈夫?ちょっと待っててね。」
そう言って近くにあったポリ袋を持ってきて、その中に吐いた。
これも症状らしい。
どれだけ吐いても吐き気は治まらない。
そんなとき、桜井先生が来た。
「大丈夫だよ。」
「先生、手術をしたら、普通の女子高生になれますか?」
涙目の私は、そう聞く事しか出来なかった。
それくらいしんどかった。
「うん。なれるよ。きっとなれるよ。」
「また、りゅうちゃんと、やり直すことが出来ますか?」
「うん。出来るよ。」
先生は語りかけるように言ってくれた。
「先生、手術、受けます。」
「そうか。今までよく頑張ったね。手術、一緒にがんばりましょう。」
笑顔で、言ってくれた。
「お願いします。」
りゅうちゃん。私は決めました。
もしかしたら、だめかもしれない。
でも、信じてみます。
あなたに呼ばれたような気がしたから。
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