また、君の優しさで包み込んで。

君だけを待ってた

「はぁ、はぁ」
どこだろう、ここ。
気付いたら私は学校の外に出ていた。
もう、このまま死んでもいいかな。
「…き、咲!」
あぁ、こんなときまで幻聴?
りゅうちゃんの声。
「咲、咲!」
だんだんその声は近づいてくる。
「咲!何してんだよ!べちょべちょじゃないか!」
なんで、りゅうちゃん。
なんで私を抱きしめているの?
鈴木さんは?
もう、意味が分からないよ。
「ごめんな、咲。ごめんな」
りゅうちゃんはずっとごめんなを繰り返す。
何が?
「…話して、全部、話して。私に何か隠してるでしょ?」
りゅうちゃんは全部話してくれた。
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