星空の下、泣く君を
気がつくと、そこはさっきもいた裏山だった。
辺りを見渡しても、異変などはなく、あのときの光はなんだったのだろうと思いながらも、帰路に着いた。
家に着き、母の姿を見ると、異変を感じた。
今までとは違う光景が視界に映る。
道を歩いていても、人にすれ違わなかったから気づかなかったのか?
そんな思いが脳裏をかすめる。
「おかえり、清秋。ん?どうしたの?固まって。」
不思議そうに俺の顔を覗き込む、俺よりかなり背の低い母の上目遣いは、現役女子高生に劣らぬ可愛さだ。
いつもならそう思うのだが、今はそれどころではない。
だって、母の背後にぱっと見人間のようなものがいるからだ。
「…あ、ああ。なんでもないよ。」
動揺しつつも声を振り絞り、応えたあとは
自室に駆け込んだ。
なんなんだ、あれは。