星空の下、泣く君を
翌日、朝になったら見えなくなると願っていたが、昨日と同じく母の背後にそれはいた。
平然を装い朝ごはんを済ませて、いつもより早い時間に家を出た。
通学の途中で見る人は皆、母と同じく背後に
人間に似た何かがいた。
それは、人間の姿形をしているが、明らかに違う点がある。それは、体の周りにオーラのような何かをまとっていた。
それは人によって姿形も、オーラも違うが、根本的な所は似ていた。
種類としては、男の姿のしたそれ、女の姿をしたそれの2種類だけだ。
ざっと見る限りほとんど規則性などはなく、男女関係なく、それはバラバラについていた。
規則性といえば、人の性格、人格によってそれのまとうオーラの色は決まっていた。
性格の良い、人気のある明るい人についているそれのオーラは、だいたい黄色だ。
それとは対照的に、性格の悪い、人気のない人のは、黒に近い紫だ。
しばらくその光景に慣れなかったが、3ヶ月が過ぎた今、流石にもう慣れた。
そして、その3ヶ月でわかったこと。
おそらく、俺が見ることができる、いや、俺だけが視れるそれは、きっと守護神だ。その人自身の。
残念ながら、俺の守護神を見ることはできない。しかし、他人のは視ることができる。
この能力はきっと、あの失恋した日に落ちてきた輝きがくれたもの。