グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)
第2章 夢じゃないんだよ
夢を見ている気分まま、ノエリが連れて来られたのは。
城下町から歩いて10分ほどの場所にある、わりと高級なマンション。
3階建てで、全室5室しかない。
3階は1部屋でとても広く、まるで一軒家のようである。
ジックニーが住んでいるのは3階の広い1室。
5LDKで、玄関もわりと広く、奥へと続く通路も長めである。
玄関を入ってすぐの所に、洗面所とバスルームがある。
通路の途中に3部屋あり、通路を通って奥へ行くと広いリビングとキッチン。
リビングには座り心地がよさそうな、茶色いソファーとガラスのテーブルが置いてあり、窓際にはちょっとした棚とテレビが置いてある。
床には落ち着いた色の茶色と白のカーペットが敷いてある。
壁にはおしゃれな振り子時計がある。
カーテンは爽やかなブルー。
キッチンは自炊しているようで、調理器具が随分と揃っている。
食器棚にはお皿など、食器が沢山そろって入っている。
食卓のテーブルも広く、椅子が4つ。
1人、1人の席にテーブルクロスも敷いてある。
男の一人暮らしにしては、品揃いが良く驚くくらいである。
照明器具もおしゃれなシャンデリアがとても綺麗。
リビングの隣に2部屋あり寝室のようだ。
「どうぞ、座って」
ジックニーはノエリをソファーに座らせた。
時間は22時を指していた。
「ここを自由に使って構わないよ。俺と貴女の家なんだから」
ここが・・・
ノエリは部屋を見渡した。
夢としか思えない。
こんな高級マンションの広い部屋を、自由に使っていいなんて。
ノエリはまだ夢だとしか思えないままだった。
「はい、どうぞ」
可愛いピンクのマグカップに、温かいお茶をジックニーが入れて持ってきてくれた。
「外は寒かったから、これ飲んで温まって。すぐに、お風呂準備してくるから」
そう言ってジックニーはバスルームへ向かった。
可愛いピンクのマグカップ。
真新しいように見えるマグカップ。
ノエリはマグカップを手に取って、ゆっくりとお茶を飲んだ。
とても温かくて美味しいお茶に、ノエリはホッとした気持ちになれた。