グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)
こんなに優しくしてもらえて、本当に良いのだろうか?
急にノエリは不安になった。
「ちょっと待ってね、今お湯ためているから」
戻ってきたジックニーの声に、ノエリはハッとなった。
「あ、そうだ。寝室、用意しているから」
え?
マグカップをテーブルに置いて、ノエリは驚いた目をした。
2つの部屋の前で、ジックニーがノエリに手招きをした。
その手招きに、素直に歩み寄って行くノエリ。
「左側は俺が使っているから、貴女は右側を使ってね」
そう言って扉を開けてくれるジックニー。
右側の寝室は、女性用に可愛らしい色で揃えられていた。
ベッドはシングルにしては少し広いくらいで、カバーはピンク系でシーツは白、枕も柔らかそうな広めの枕。
カーテンはクリーム色とピンク系。
広々とした寝室には、机と本棚、そしてクローゼットもある。
寝室まで用意されているなんて…
ノエリが驚いていると、ジックニーはクローゼットを開いて見せた。
「ここに必要な物は揃えておいたから、足りない物があれば言って。一緒に、買いに行こう」
一緒に?
2人で買い物?
そんな事できるなんて、考えたことなかった。
ノエリは内心ちょっとだけ嬉しくなった。
「さっ、そろそろお風呂が沸くから。先に入っていいよ。ここにパジャマもあるから、使ってね」
パジャマまで?
でも、サイズ・・・
「あ、そうだ。バスルームは玄関から入ってすぐの右側だから。扉には鍵もちゃんとあるから安心してね」
「・・・はい・・・」
小さく返事をするノエリ。
少ししてお風呂が沸いて、ノエリは先に入る事になった。