グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)

 しばらくして。

 ノエリがお風呂から出てくると、入れかわりにジックニーがバスルームへ向かった。

 湯上りに飲んでと、お水を用意してくれたジックニー。

 透明のグラスに入っているお水はとても綺麗で、透き通っている。


 もう遅いから、先に寝てていいよとジックニーは言った。

 とりあえず、ノエリも疲れを感じていたので先に寝室へ向かう事にした。



 ベッドの入ってもなかなか寝付けないノエリ。

 突然変わってしまった環境に、まだついてゆけなく、夢だと思い込んでしまっている。

 このまま眠って目が覚めれば、きっと元に戻っているのだろう・・・。

 そう思うと眠ってしまうのが怖く感じた。


 数日前に、てきとうにかけた電話の相手に「結婚して下さい」と言ったノエリ。
 
 その電話の相手はジックニーで即答してくれた。


 会ってみると想像以上のイケメンで、申し訳なくなり人違いだと逃げようとしたノエリ。

 そんなノエリを優しく受け入れてくれて、婚姻届けまで用意していたジックニー。

 信じられない。

 こんな私の事なんて、受け入れる人はいないから・・・。

 
 ノエリは悶々とした気持ちのまま、いつの間にか眠りについていた。



(げぇ! ブサイク近づくな! )
(お前にはこれがお似合いだ! )
(そんな醜い顔で、近寄らないで! )

 バシャッ!

 泥水をかけらたノエリ。

(わぁ~その方がよっぽどいいんじゃない? )

 ノエリをバカにして笑う声が響く・・・。


「ハッ・・・」

 目を覚ましたノエリは、カーテンから差し込む暖かい日差しを目にして目を見開いた。

 広々とした寝室。

 そして着ている可愛いパジャマ。

 フカフカのお布団と暖かい毛布。

「これ・・・また夢の続き? 」

 ノエリは自分の頬をつねってみた。

「痛っ・・・。こっちは、現実? 」

 まだ頭が混乱しているノエリ。


 とりあえず着替えて顔を洗おう。


 ノエリは着替えて洗面所へ向かった。


 
 
 
 
< 13 / 88 >

この作品をシェア

pagetop