グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)
しばらくして。
ノエリがお風呂から出てくると、入れかわりにジックニーがバスルームへ向かった。
湯上りに飲んでと、お水を用意してくれたジックニー。
透明のグラスに入っているお水はとても綺麗で、透き通っている。
もう遅いから、先に寝てていいよとジックニーは言った。
とりあえず、ノエリも疲れを感じていたので先に寝室へ向かう事にした。
ベッドの入ってもなかなか寝付けないノエリ。
突然変わってしまった環境に、まだついてゆけなく、夢だと思い込んでしまっている。
このまま眠って目が覚めれば、きっと元に戻っているのだろう・・・。
そう思うと眠ってしまうのが怖く感じた。
数日前に、てきとうにかけた電話の相手に「結婚して下さい」と言ったノエリ。
その電話の相手はジックニーで即答してくれた。
会ってみると想像以上のイケメンで、申し訳なくなり人違いだと逃げようとしたノエリ。
そんなノエリを優しく受け入れてくれて、婚姻届けまで用意していたジックニー。
信じられない。
こんな私の事なんて、受け入れる人はいないから・・・。
ノエリは悶々とした気持ちのまま、いつの間にか眠りについていた。
(げぇ! ブサイク近づくな! )
(お前にはこれがお似合いだ! )
(そんな醜い顔で、近寄らないで! )
バシャッ!
泥水をかけらたノエリ。
(わぁ~その方がよっぽどいいんじゃない? )
ノエリをバカにして笑う声が響く・・・。
「ハッ・・・」
目を覚ましたノエリは、カーテンから差し込む暖かい日差しを目にして目を見開いた。
広々とした寝室。
そして着ている可愛いパジャマ。
フカフカのお布団と暖かい毛布。
「これ・・・また夢の続き? 」
ノエリは自分の頬をつねってみた。
「痛っ・・・。こっちは、現実? 」
まだ頭が混乱しているノエリ。
とりあえず着替えて顔を洗おう。
ノエリは着替えて洗面所へ向かった。