グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)
 決まっていた就職先は、薬を開発している研究所だった。

 ここに就職すれば、薬の開発ができて、父親の病気も治せる薬を作り出せると、ノエリは期待に胸を膨らませていた。


 だが・・・突然、醜い顔に変えられていたノエリ。

 どこか普通にアルバイトでもしなくてはと、ノエリは色々ところに就職活動したが、全て落とされてしまった。

 全ての原因がノエリの顔だった。


 最後に行った塗装の仕事に、やっと雇ってもらえるようになったノエリ。

 塗料の臭いや汚れ、そして重労働。

 マスクをして顔を隠すように仕事をしていたノエリ。


 いつも通り行く人から「ブサイク! 」「キモイ! 」などと中傷されていたノエリ。

 
 5歳上の姉は貴族と結婚して幸せになったが、ノエリは顔のせいで結婚どころか交際してくれる人すらできなかった。


 このまま人生は終わってしまうかもしれない。

 そう思っていたノエリ・・・。





 ピピッ・・・ピピッ・・・

 目覚ましの音で、ノエリは目を覚ました。


 カーテンの隙間から朝日が差し込んできた。

「・・・夢・・・」

 嫌な夢を見たと、ノエリは思った。

 
 ギュッと抱きしめられ、ノエリはハッとした。


 そうか、昨晩、ジックニーが一緒に寝ようと来てくれたんだった。

 ぐっすりは眠れたけど、嫌な夢を見てしまった。


 起こさないように、ノエリはジックニーから離れて寝室を出た。



 いつものように顔を洗って、歯を磨いて身支度を整えるノエリ。


 今日は朝ご飯、作ってみよう。

 そう思ったノエリは冷蔵庫を開けた。


 食材を見て、適当に作り始めるノエリ。
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