グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)

 それから何軒かお店を回り、ノエリの服を何着か購入。

 どれもノエリにとても似合っている服ばかりであった。

「よしっ、これだけあればこの冬は大丈夫だね」


 服だけじゃなく、ブーツや靴、そして鞄を買ってもらったノエリ。

 こんなに買い物をしたのは、何年ぶりだろう・・・。


 自分のものが増えて、ノエリは嬉しくなった。


 買い物をして、ジックニーとノエリが城下町の商店街から歩いて来た。

 ジックニーはノエリの手を繋いで、とても楽しそうに話をしている。

 ノエリはただ頷いて、ジックニーの話を聞いているだけだった。


 すると・・・

「ノエリ・・・やと見つけたわ! 」

 声がして足を止めるジックニーとノエリ。


「私から逃げられるなんて、思わないでって言ったわよね? 」

 目の前に現れたのは、まるで作られたような綺麗な顔をした1人の女性。

 スッとした面長の輪郭に、キュンと高い鼻に、真っ赤な口紅を塗った細い唇。

 目はキツネのようにきつく鋭い目で、瞳はブラウン。

 背丈は普通くらいで、派手な花柄のブラウスに紫のフレアスカート。

 靴は黒いハイヒール。

 
「ノエリ、逃げても無駄よ」

 女性はノエリに、にじり寄るように歩み寄って行く。

「ちょっと、なんですか? 」

 近づいてくる女性の間に、ジックニーが割って入った。


「ん? もしかして、電話の男? 」

 女性は鼻で笑いを浮かべた。


「そっか、ノエリがたぶらかしているんだ。昔から、人の男取っちゃうのよねノエリは。こんなブス、どこがいいのかしら? 」
 
 ノエリはジックニーの後ろで怯えた目をしている。

「ノエリ、あんたの行く場所なんてどこにもないじゃない? 仕事もお金もないのに、私から逃げてどうしょうっていうの? 」

「変な言いがかりは止めてもらえますか? 」

「ん? あんたは何も知らないからねぇ。ノエリは、私の夫と子供を殺して、両親も殺した女なのよ! 」
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