グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)
「はぁ? 」

 何のことだか判らない顔をしているジックニーを見て、女性は鼻で笑いを浮かべた。

「ノエリ。あんたその顔で、どうやってこの子を騙したの? 呆れた子ね。義理でも妹なんて、恥ずかしくてたまらないわ」


 妹? ・・・そっか、ノエリには姉が1人いるって言っていたなぁ。

 ジックニーはノエリと女性見比べた。

 似ても似つかない2人。

 瞳の色も違う・・・。

 何か違和感を感じる。

 ジックニーはそう思った。

「私は、ノエリの姉のデルバ。姉と言っても、ノエリは養女だから私とは血はつながっていないわ。だからよね、昔から私の連れてくる男を盗ってしまうの。結婚していた夫も、ノエリが奪ったの。そせいで私は離婚したわ! 子供を1人引き取ったけど、ノエリのやったことがショックで自殺してしまったわ。それがショックで、私の両親は病気で倒れてしまい、2人も亡くなった。みーんなノエリが原因での事よ! 私の人生めちゃめちゃだわ! 」

「ちょっと待ってください。なんだか話が矛盾しています」

「何が? 」

「貴方のご主人が、ノエリに奪われたと言われましたが。ノエリはずっと1人でしたよ」

「ああ、そのことなら。夫は私と離婚して、すぐに病死しているの。きっと、ストレスからじゃないかしら? 離婚した後は、急激に弱って行ったって聞いているし」

 
 デルバの言い方に、ジックニーはとても嫌な感じを受けた。

 何か違う・・・。

 病死・・・自殺・・・。

 こんなに連続して死が続くものだろうか? 

 ジックニーの中では疑問が募るばかりだった。

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