グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)
「まったくノエリは、人の男は奪うし、家庭はめちゃめちゃにするし。ノエリのせいで、私は医師免許をはく奪されたわ。だから、働けなくなった私の代わりにノエリが一生働いて養う義務があるの。分かった? 」
「貴女の話を全て納得することはできません。本当にノエリがそこまでしたと言うなら、納得する証拠を見せてもらえますか? 」
「証拠? 」
「はい。俺には、ノエリがそんな事をするとは絶対に思えない。俺はノエリを信じている。だから証拠を見せてほしい。もし証拠がないなら、俺は貴女を許さない。貴女はまるで、ノエリを脅しているようだ」
「なんですって? 」
「お金を持ってこい! 逃げられると思う? そんな言葉を平気で言うなんて、信じられない。ノエリにめちゃめちゃにされ、傷ついている人が、そんな事を言えるはずがないって俺は思う」
「分かったわ。じゃあ、ちゃんと証拠を見せてあげるわ」
動揺を隠しながらデルバが言った。
「わかった。それじゃあ、その証拠が揃ったら全て検察に出してらえる? 」
「検察に? 」
「ああ、証拠と言うものは検察に提出するのが一番いいって聞いているからね。俺達が見せ合って討論したって何も解決できない。だから、検察から連絡があるのを待っている」
「分かったわ」
「それじゃあ、俺たちはこれで」
ジックニーはノエリの手を引いて歩き出した。
「・・・あの男・・・。あんなブサイクのどこがいいのかしら。・・・いいわ、見てなさい」
去り行くジックニーとノエリを見ながら、デルバはニヤリと怪しく微笑んでいた。
ジックニーとノエリは、あのまま家に戻ってきた。
ノエリは何も喋ろうとはしなかった。
ただずっと俯いて、怯えた目をしていた。
帰ってきたのは16時を回る頃だった。
ジックニーが少し落ち着こうと、ハーブティーを入れてくれた。