グリーンピアト物語～醜い妖精とイケメン君～（完結）

「ノエリ、お姉さんが言った事なんて俺は全く信じていないよ。だから何も気にしなくていいから」

　
　気にしなくていいと言われても、気にしてしまう。

　でも・・・ちゃんと話さなくちゃいけない。

　こんな事が度々あっては、ジックニーが困るから。


　ノエリはそう思った。


「姉が私を目の敵にするのは、理由があるのです」

「理由？　」

「はい。私は、姉とは血が繋がっていません。私は養女ですから」

「養女か。でも、それならノエリはもうデルバとは関りがない間柄になれるんじゃないの？　」

「私が養子縁組を解除すれば、他人になります。でも、姉の結婚相手が私のせいで亡くなったのは本当です」

「それは、どうゆう事？　」

「姉の旦那様は貴族でした。姉は優秀で、医大を首席で卒業して医師として有能な腕を持っていました。病院で知りあった貴族と結婚したのですが、姉のプライドの高さに、だんだんとギクシャクしてきて・・・子供が産まれても、夫婦仲は冷め切っていたのです。・・・そんな時、姉の旦那様から色々と相談されていたのですが、ある日、２人で会っているところを見られてしまい。姉は浮気をしていると勘違いをして、旦那様を酷く責めたのです。勿論、私への怒りも酷く向けられました。姉は離婚を決意して家に、子供を連れて戻ってきました。その数日後に、旦那様は病気で亡くなられました」



（あんたのせいよ！　あんたが殺したのよ！　人の男を盗るなんて最低！　）

　亡くなった旦那様の傍で、泣きながらデルバが言った。



「その後、残されていた子供もショックを受けて自殺しました。姉はますます私を憎むようになりました。その後、父も母も病気になり亡くなって、１人になった姉は私に頼るしかなくなり、ずっと、面倒を見てきました」

「面倒を見るって、ノエリがお姉さんを養うって事なの？　」

「はい・・・」