グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)
 気にするなと言われても・・・。

 まぁ、別にいいかもしれない。

 デルバはきっと、こんな写真をとって送り付けて、傷つけようとしたに違いない。

 でも家まで知られているなんて、ちょっと怖い気がする・・・。

 少しだけ恐怖を覚えたノエリは、肩を竦めた。

「ノエリ・・・」

 ふわりと、ジックニーはノエリを抱きしめた。

「心配しなくて大丈夫だよ。俺は、姑息な作戦に引っかかりはしないよ」

「はい・・・信じていますから・・・」

 そう答えるノエリの声が震えていた。


「ノエリ・・・。もうすぐ、俺とノエリが結婚して一ヶ月過ぎるよ」

「え? もうそんなになりますか? 」

「ああ、バタバタしてたから、そんな気しないけどね」

 そっと身体を離し、ジックニーはノエリを見つめた。

「ねぇノエリ。そろそろ、俺に敬語使うの辞めよう」

「あ・・・すみません・・・」

「ノエリがそうやって、俺に敬語を使うのは。俺の事を、ちゃんと受け入れてくれていないからだよね? 」

「そ、そんなことは・・・」

「ノエリ・・・。前に聞いたよね? 本当のノエリに戻りたい? って」


 そう言えば聞かれた。

 本当の自分じゃないから苦しんでいるんだって。

 
 本当の自分・・・。

 ノエリはギュッと唇を噛んだ。

「俺は、本当のノエリをずっと見ているんだよ。だから、今のノエリの顔が本当の顔じゃない事も知っているよ」

 え? 

 驚いた目で、ノエリはジックニーを見つめた。

< 37 / 88 >

この作品をシェア

pagetop