グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)

 ジックニーは、いつもより真剣な目をしてノエリを見ている。

「ノエリから初めて電話をもらって、結婚して下さいって言われたその日からずっと。本当のノエリしか見ていないし、感じていない」

「・・・どゆう事ですか? 」

「俺は、相手の魂を見たり感じることができる。だから、いくら外見を作っていても、全てわかるんだ」

 魂を感じる? 

 この人は一体何者? 

 ノエリは、ジックニーの赤い瞳をじっと見つめた。


 言われてみればこの人、普通の人と違うって思っていた。

 なんだか分からないけど、頭で考えるより感覚で動いているようで。

 それに瞳の色が今まで見たことがない赤い色・・・。

 この人は・・・もしかして、人間じゃないの? 


「気が付いた? 」

 じっと見つめているノエリに、ジックニーが言った。


「俺は、地上の人間じゃないんだよ」

「え? 」

「俺は地底の人間。と言っても、父は地上の人だから、正確には地上と地底のハーフだよ」

 地上と地底の血を引いている人・・・。


 そう言えば、小さい頃、祖父に聞いたことがある。

 魂を弔う地の底に住んでいる人が居ると・・・。

 まさか、そんな人が目の前に? 


 ノエリの目が潤んできた。


「ごめん、隠し事しているつもりじゃなかったけど。きっと、俺がこの事を話さないから。いつまでも、ノエリとの間に壁が取れないんだって思ったんだ」

「いいえ・・・。お聞きしなくても、なんとなく感じていました。普通の人とは違う事・・・。隠し事しているのは・・・私の方ですから・・・」

 
 スッと、ノエリの頬に涙が伝った。

「ノエリ、泣かないで」

 そっと、ジックニーはノエリの涙をぬぐった。
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