グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)

 約束の3日後。

 ジックニーは約束の場所へとやって来た。

 城下町広場の噴水前は、待ち合わせする人が多く、沢山の人が居る。

 名前しか知らない人、顔が判らないが見つけられるだろうか?


 ジックニーは大勢いる人を見渡した。

 すると、1人の女性を見つけたジックニー。

「あ、いた・・・」


 そのまま真っすぐ歩いてゆくジックニー。


 ジックニーが歩いて行くと、噴水の前に1人女性がいた。


 少し古くなったような茶色いコートを着て、黒いパンツに黒い靴。

 背が高く推定175センチありそうなくらいである。

 しかし顔を見ると・・・

 金色の髪は、バサバサに短く切ってあり、太った顔で浮腫んで、顎は二重顎になっている。

 目元も浮腫んでいて小さく細い目で、かろうじて見える瞳は緑色。

 鼻は団子鼻で、唇はたらこのように厚くて、口角が下を向いている。

 見るからに世間でいう「ブサイク」な女性である。

 かろうじて体系だけは細いままの女性。


 通り行く人も、女性を見てクスクスと笑ってバカにしているようだ。

 そんな不細工な顔をした女性は、手に白いバッグを持って俯いている。



「ゲッ、あいつすげぇブサイク! 」

「きも~」

「あんな女、絶対彼女になんてしたくねぇよなぁ」


 女性の傍を通りかかった、男性3人が小ばかにして去って行った。


 女性は黙って俯いている。


「お待たせしてすみません」


 女性の前にジックニーがやって来た。

 女性はジックニーを見ると、とても驚いた目をした。

「初めまして、ノエリさんですよね? 俺はジックニーです」

 名前を聞くと、また驚いた女性だが、すぐに俯いてしまった。

「ち、違います。人違いです」

 まるで震えるような声で否定する女性。

「何言っているのですか? 声で分かりますよ。電話の時と同じ、綺麗な声をしているじゃないですか」

 そう言いながら、ジックニーは女性の手を取った。


 
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