グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)
「ノエリ。目を開けて」
ジックニーが声をかけると、ゆっくりとノエリが目を開けた。
開かれたノエリの瞳は、とても綺麗なエメラルドグリーン。
切れ長のパッチリした目で、睫毛が長く、透き通る瞳が魅力的で、胸がキュンとなる。
「お帰り、ノエリ」
ノエリは自分の顔触れてみた。
「え? 嘘・・・」
自分の顔に触れて、ノエリは全く違う事を感じた。
「戻れたよ、本当のノエリに」
戻れた? 本当に?
ノエリは急ぎ足で洗面所へ向かった。
洗面所へ来ると、少し怖い気持ちで、ゆっくりと、鏡を見るノエリ。
「あ・・・」
洗面所の鏡に映る自分の顔を見て、嬉しくて泣きそうな目をしているノエリ。
「戻れた・・・本当に戻れたんだ・・・」
嬉しくて、ノエリは急ぎ足でジックニーの下へ戻った。
戻ってきたノエリを、ジックニーはギュッと抱きしめた。
「戻れたのですね、私・・・本当の私に・・・」
「ああ、ちゃんと戻れたよ。今のノエリを俺は、ずっと見ていたんだよ」
「有難うございます。・・・なんとお礼を言ったらいいのか・・・」
「お礼なんていらないよ。ノエリが心から望んだから、戻れたんだから」
「はい・・・」
嬉しそうな目で、ジックニーを見つめるノエリ。
「大丈夫だよノエリ。俺が守るから」
「はい・・・」
奇跡だ・・・
でも、本当に嬉しい・・・
ノエリはやっと重い鎧を脱げた気がした。