グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)

 まるで、ワフワと空を飛んでいるような感覚に陥ってしまうくらい、もう何も考えられなくなった。

 これは体が喜んでいるからなのだろうか?

 でも体だけじゃなくて心も満足している。


 これが愛なのだろうか? 
 


 こんな日が来るなんて・・・

 お願いだから、夢ならずっと覚めないでほしい・・・。

 ノエリは心からそう思った。









 
 しばらくして。

 そっと、ノエリの頭を撫でているジックニー。

 ノエリはジックニーの胸の中で泣いていた。

 何故泣きたいのか分からない、でも、とっても嬉しくて・・・

 なのに涙が出てくるなんて、どうしてだろう? 

 
「泣きたいだけ泣いて構わないよ、ノエリ。だって、今までずっと泣かないで我慢してきたんだから。思い切り泣いて、もう終わらせよう」

「・・・ごめんなさい。・・・悲しい訳じゃありませんが、何故だか涙が止まらなくて・・・」

「ノエリの魂が喜んでいるんだよ。やっと解放されたから、涙で浄化してくれているんだよ。今は心に素直になればいいさっ。俺もすごく嬉しいから」

 
 そっと、ノエリの額に額をくっつけるジックニー。

「やっとノエリと1つになれて、とっても幸せだよ。何も隠し事も無くなったから、前よりもっとノエリを愛している」

「私も・・・」

「もう何があったって、俺は怖くないよ。何かあれば、一緒に考えてゆけばいいだけだからねっ」

「はい・・・」


 なんて心が軽いんだろう。

 幸せを体でも感じている。

 心も体も満たされる幸せって、こんな感じなんだ・・・。


 ジックニーの胸の中で、ノエリは次第に眠りに落ちて行った。


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