グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)
第6章 逆転
夜になりジックニーが帰宅した。
夕食を済ませてから、ノエリは妖精界の母と連絡が取れたことをジックニーに話した。
「そっか、良かったね連絡取れて」
「はい。私もびっくりしました。もう、20年以上も連絡してなかったので」
「それで、お母さんはなんて言っているの? 」
「結婚にとても賛成してくれていて、一度ご挨拶したいからと言われて」
「本当? 」
「ええ、それで急なのですが。明日の夜に来ると言っていたのですが、いいでしょうか? 」
「もちろん大丈夫だよ。じゃあ、明日は早出だから、午後一番には帰らせてもらうよ」
「はい」
ほっと、一安心の表情を浮かべるノエリ。
「実はさっ、俺の両親にも会ってほしいんだけど良いかな? 」
「貴方のご両親に? と言う事は、地底に行くのですか? 」
「いや、ここに来てくれるって言ってた」
「あ・・・そうなんですね。・・・でも、どうしましょう」
「え? 何が? 」
「い、いえ・・・その・・・」
何か動揺しているノエリを見て、ジックニーはクスっと笑った。
「ノエリ。何も気にしなくていいよ、俺の両親は細かい事気にしないから。早くノエリりに会いたいって言ってたよ」
「は、はい・・・。でも、せめて美容院には行かなくてはと・・・」
ん? と、ジックニーはノエリの髪を見た。
確かに短くしているが、ちょっとガタガタに切られているのは確かである。
「すみません。貴方にお会いする前の日に、塗料が髪に付いてしまって。急いで自分で切ったのですが。それ以来、ずっとそのままでした。こんなバサバサの髪では、さすがに失礼ではないかと・・・」
「そっか。じゃあ、明日の午後に一緒に行こう。俺がずっと利用している美容院があるんだ。そこの美容師さん、すごく腕がいいからノエリにピッタリの髪形にしてくれるよ」
「はい・・・」
ジックニーはノエリの髪に触れて、そっと微笑んだ。